ウシガエル、上海ガニに"網"
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実習用のウシガエルを捕獲する大内一夫さん(千葉県野田市で)=尾崎孝撮影
真っ暗闇の水面にライトを当てると、大きなカエルが顔を出していた。利根川と江戸川に挟まれた千葉県野田市の用水路。カエルの目が青白く光った瞬間、大内一夫さん(72)の腕が素早く動いた。手製の竿(さお)で捕らえたのは、体長約20センチのウシガエル。10分ほどで7匹を捕獲した。
北米原産のウシガエルは1920年代、食用として持ち込まれ、フランス料理などの食材として、今も流通している。医大や獣医大などでは、心臓や筋肉の働きを調べる実習用として使われてきた。捕獲歴59年の大内さんは昨年、100校以上に約3万匹を納めた。
ところが最近、注文が2~3割減った。今年2月、ウシガエルが特定外来生物被害防止法の規制対象に指定されたためだ。「昆虫からヘビまで、在来の様々な生物を捕食する」というのが規制理由。生きたウシガエルを扱うには、保管する囲いを二重にするなど、逃げられないように手立てを講じ、環境省の許可を得ることが必要になった。
日本獣医生命科学大(東京都武蔵野市)では、20年以上、ウシガエルを教材にしてきた。鈴木浩悦助教授は「大きくて、丈夫なので、心臓や筋肉の仕組みを学ぶ解剖実習に最適」と語る。現在、許可申請中だ。逃亡を防ぐため、ウシガエルをまとめ買いせず、使う分だけをその都度、大内さんから送ってもらうようにした。
日本歯科大新潟生命歯学部は、ウシガエルの解剖をやめ、学生が自分たちの心電図や筋電図を測定する実習に変更した。
「実習でたくさん使われれば、駆除にも貢献できるのに……」。需要減に、大内さんは嘆き節だ。
ウシガエルと同様、2月に規制対象となった上海ガニ(チュウゴクモクズガニ)を巡っても、思わぬ波紋が広がっている。
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